生徒会インタビュー 中西 由美子 さん
中西 由美子 / 0期生 / 大阪府豊中市在住 / 37歳
自分なりの人生の正解を、ここで探している
「緑とランドスケープデザインの力で、どれだけ人を癒すことができるだろう?」その問いの答えを追い求めて、あっという間に10年以上が経った。大学の専攻は農学部、緑地環境学研究室に所属。卒業後も市役所職員として、公園などを中心としたランドスケープデザインの領域で活躍してきた。しかし突然の部署移動で、長年連れ添ったこの仕事から離れることに。自分のアイデンティティーはどこにあるんだろう? ふと、そんな不安が視界を暗くした。
「そんな時、宮崎の『AOSHIMA BEACH PARK』をきっかけに存在を知った宮原さん(学園長)のSNSで、ハミダシ学園のオープンクラスがスタートすることを知ったんです。以前から活動を追いかけていた方と直接話ができる。迷わず参加を申し込みました」
「越境のすすめ」をテーマにしたそのクラスで、中西さんは「公務員としてではなく、私が私として、どう生きていくべきなのか」それが自分の求めていた本質的な問いだということに気がついた。目の前のもやが、スッキリ晴れていくようだった。その後「ハミダシ学園生徒会」生徒募集の告知を見て、飛び込むことを決めた。同じ0期生のメンバーと共に、まだ何のルールも用意されていない学園の“オンライン上の場づくり”をする日々が始まった。
本職の傍ら立ち上げた任意団体「SENRI PARK LIFE DESIGN」では、同じ地域で、違う課題を抱える団体を巻き込んだ場づくりをしていくことがテーマ。自身の活動について学園内でもたらされるのは、あくまで“サジェスチョン”だ。「中西さんだったらこんなことができるんじゃない? とか、こういう人たちと一緒にやってみたら? と、暖かく背中を押すような言葉をかけてくれる方たちばかりで。見守りつつも、常に本質をついた問いを共有してもらえることがありがたいです」
学園長がよく口にする「利他精神」の考え方にも、強く共鳴している中西さん。「この取り組みで、誰に喜んでもらうの? その人の顔を具体的に思い浮かべた方が、やるべきことが明確になるよね、と話してくださって。それで“ありがとう”の気持ちが返ってきたり、お金やそれ以上のものが返ってきたり。“自分も相手も嬉しい“そこを追求していけばいい世の中になるんじゃないか? という考え方には、とても共感しています」
より良い“地域”を作ろうと活動する中で、彼女が思い浮かべるのは、子どもたちやママ友の顔。彼らが過ごしやすく、より活躍できる地域とは、どんなものだろう? 自分のやるべきことの輪郭が、少しづつ見えてきた気がしている。
彼女の目下の目標は、団体を法人化し、メンバーと一緒に仕事をすること。ハミダシ学園のメンバーたちを知れば知るほど、その想いも強くなっていく。「都市の中にある自然の美しさを皆が感じ、それぞれが大切に守っていく。それがひいては、美しい自然を取り戻していくことにも繋がるのかなって。これからもそんな地域づくりを目指して活動していきたいです」この逆境で彼女を奮い立たせているのは、そんな大きな夢と、ここで新しく得た刺激的な仲間たちの存在なのだ。